金融機関からの勧誘にも注意したい（イメージ）
値上げラッシュに先の見えない年金制度、ささやかれる増税計画と、あらゆる角度からあおられ続ける老後のお金の不安。だがその不安に駆られるまま、間違った方法で老後資金のやりくりをしている人は少なくない。専門家のアドバイスのもと、何が正解なのか、解説していこう。
『定年後』の著者で、楠木ライフ＆キャリア研究所代表の楠木新さんは「高齢の男性は、お金の使い方がわからない人が少なくない」と語る。
「いまの60～70代の男性には、家事や子育て、家計管理を妻に任せきりにしていた人が多い。特に会社員だった場合、いざ定年になって自分で自由にお金を使うとなると、どうしたらいいかわからず、突発的に始めた趣味につぎ込んだり、慣れない資産運用を始めたりと、誤った使い方をする人は少なくありません」（楠木さん）
このように「使い方のわからない老後資金」を抱えた家庭がどうなるか。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんが語る。
「夫の定年後、それまで家計を担ってきた妻が“夫に任されているから、私がなんとかしなくては”とひとりで抱え込み、失敗してしまうケースがよく見受けられます。
特に目立つのが、夫の退職金を増やそうと投資に手を出し、多額の老後資金を失ってしまうケース。中でもハイリスク・ハイリターンなFX（外国為替証拠金取引）や暗号資産（仮想通貨）などに手を出し、数百万円を一気に飛ばしてしまったという人は何人もいます」
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