“大谷推し”か“エンゼルス推し”か
各企業はどうするのか。今シーズンより猫用スナック「Churu(日本名・CIAOちゅ~る)」の広告を出すいなばペットフードの担当者が語る。
「契約は今年4月から1年間です。おかげさまで米国でも『Churu』の知名度は上がっていますが、とりあえず1年やってみようとの思いでした。来シーズンの契約については大谷選手の動向も見つつ、これから検討することになります」
“大谷特需”に沸いた企業としてのストレートな回答だろう。一方、2022年4月よりエンゼルスとスポンサーシップ契約を結ぶバンダイナムコホールディングスの担当者はこう話す。
「バンダイナムコグループはカリフォルニア州アーバインにアメリカ拠点を構えた時より、同じオレンジ郡を拠点とするエンゼルスとスポンサーシップ契約を締結しています。今後も地元球団のエンゼルスをファンとともに様々な形で応援していきたいと考えています」
あくまでも大谷でなく、エンゼルスが出稿先だとする説明だ。では、大谷入団のはるか前、2009年よりエンゼル・スタジアムに広告を出しているヤクルトはどうか。本社の担当者が言う。
「大谷選手が在籍しているからではなく、球場近くにアメリカヤクルトという現地法人があるから広告を出した経緯があります。継続するかどうかは現地法人の判断ですが、エンゼルスとのつながりで広告を出しているため、大谷選手の移籍先の本拠地球団に広告を出すことはありません。仮に来季、エンゼル・スタジアムの広告を出さないとしても、それと大谷選手の移籍は関係ありません」
各企業の事情は複雑だ。スポンサーの“大移動”はあるのか。各企業の業績や地元経済の浮沈をも左右する大谷の決断や、いかに?
※週刊ポスト2023年12月8日号