投資

新NISAで「生涯投資枠を早く埋めよう」と考える落とし穴 大きく手ごわい「1800万円の壁」

課税口座の資産を売却するかしないか?

 ここまでの攻略法を整理すると、

・旧NISA口座にある資金は売却しない(旧NISA口座はいったん運用資産を売却すると非課税枠が消滅してしまうので、非課税期間いっぱいまで運用を続けるのがベスト)。

・利益に課税される特定口座(もしくは一般口座)にある資金は場合によっては現金化して新NISAに投資、

という流れになります。

 課税口座にある資金を売却するかしないかは、基本的には、

・年間360万円の投資余力がある人は売却しない。
・年間360万円の投資余力がない人は売却して新NISAでの投資資金に充当、
 
という判断になります。

 ただ、特定口座と新NISA口座でまったく同じインデックスファンドに投資しているといった場合、たとえ360万円の投資余力があったとしても特定口座の資産は売却して、非課税口座の新NISAに移し替えたほうがいいでしょう。

 その場合、これまでの利益に約20%課税されたうえで非課税運用に切り替える効果と、税金の支払いを繰り延べして課税口座で運用を続ける効果を天秤にかけることになります。

 その後の運用がうまくいけばいくほど、非課税の新NISA口座に移し替えたほうが有利になります。

【プロフィール】
山口貴大(ライオン兄さん)/金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。

『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』(KADOKAWA)より一部抜粋して再構成

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