保有期間で選ぶ銘柄は変わる
では、HDV、SPYD、VYMという米国高配当株ETF3銘柄のうち、どれを選べばいいのでしょうか。
単純に分配金利回りが4%台後半~5%台前半と高いSPYDを選びたいところですが、高配当株ETF選びでは「どれぐらい、そのETFを保有するか」という保有期間を意識することも大切です。
保有期間が長いほど、組み入れ銘柄の直近の配当利回りより、業績や将来性、ETFの増配率(分配金の毎年の増加率。数年間の平均値を見たほうがいい)に注目してETFを選んだほうがトータルリターンの向上につながるからです。
次の図は、HDV、SPYD、VYMの分配金を加味した基準価額の推移を比較したチャートです。2016年1月4日を100としたとき、2023年7月24日までの約7年半で、分配金込みのトータルリターンが何%上昇したかを示しています。
図を見ると、約7年半の上昇率ではVYMの115%が最も高く、SPYDが89%、HDVが86%。VYMのパフォーマンスがかなり優秀です。
ただ、図ではわかりませんが、より短期的な2021年~2022年のパフォーマンスを比べると、この時期は下げ相場で高配当株に人気が集まったこともあり、分配金利回りが高いSPYDの成績が最もよくなっています。そう考えると、
・2年以下の短期保有なら分配金利回りが5%前後のSPYD。
・5年以上の長期保有なら分配金利回りは3%台なものの基準価額の上昇に期待でき
るVYM、
というのが銘柄選びの参考基準になります。