ビジネス

【介護現場の負担を軽減】1970年大阪万博を沸かせた「人間洗濯機」が令和に復活 会社消滅から12年、元三洋電機社員たちも奮闘

高齢者施設での導入を目指して検証を繰り返す(撮影/藤岡雅樹)

高齢者施設での導入を目指して検証を繰り返す(撮影/藤岡雅樹)

 亀井氏が「人間洗濯機」の復活を決意したのは、介護の現場で「入浴」が大きな負担になっていることを知ったからだ。撮影に協力した特別養護老人ホーム「サンライズ大泉」の番場隆市施設長はこう説明する。

「入浴には利用者1人に介護士1人が付きっきりで30分かかります。3時間で6人に入浴してもらうのがやっとです」

 特養ですらこの状態だ。自宅介護で入浴サービスを受ける場合はさらに大掛かりになる。看護師1人、介護職員2人の3人チームがボイラー付きの特殊車両で自宅を訪ね、お湯張りから始めると1時間。利用者を浴槽まで運ぶのは重労働で腰を痛める職員も少なくない。
自己負担は1割なので1回約1250円だが、週に2回、月8回の利用だと本人負担は1万円、国の負担は10万円を超える。

 入浴ほどのリラックス効果は期待しにくい。だが、それでも週に何回かスイトル・ボディに置き換えれば、入浴サービスに関わる介護現場の負担はかなり減るはずだ。

次のページ:歴史は受け継がれている

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。