4月にいよいよ開幕する大阪・関西万博だが、費用の増大、工期の遅れなど様々な問題が取り沙汰されている。しかし、「投資以上の経済効果を生む」と語るのは万博を招致した松井一郎・元大阪府知事と経済学者の高橋洋一氏だ。批判もうずまくなか、あえて賛成派の意見に耳を傾ける。【全3回の第2回】
菅さんが喜んでいた
高橋:観光客誘致のインパクトも大きい。
松井:万博の招致をしていた頃は第2次安倍政権。高橋さんが内閣参与で、観光を日本の産業の柱にする「観光立国」を掲げた。僕も官房長官だった菅義偉さんと以前から「観光を政策の柱にしましょう」と話していて、大阪では府と市、経済界が一体となり大阪観光局という司令塔をつくった。
高橋:僕はその頃、安倍晋三・総理から「アベノミクスやったらどうなるか」と聞かれ、「円安になります」と説明した。円安になると外国から観光客がすごくやってくる。アベノミクスとインバウンドは同じ方向だった。インバウンドは金持ちが来てすぐ帰るので、問題のある移民とは別です。
松井:大阪では2024年の外国人旅行者数はコロナ前を上回る1200万人に達しました。先日、菅さんと話をしたら、「インバウンドの目標だった4000万人達成が見えてきたよ」と喜んでいた。
高橋:海外から関空にやってくる観光客の何割かがUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)や万博を見に行くのでは。