企業概要
アルトナー(2163)は、2022年に設立60周年を迎えた技術者派遣事業会社の老舗企業。ソフトウェア、電気・電子、機械領域の設計技術者派遣事業、および、請負・受託事業を展開しています。
エンジニアの活動領域は実に幅広く、自動車、家電機器、産業機器、医療機器、情報・通信の大手企業において、電気自動車、燃料電池自動車等のエコカー、運転支援技術、レーシングカー、半導体露光装置、産業用ロボット、システム・アプリケーション開発等、最先端の基礎研究、設計開発の多くの上流工程のプロジェクトに参画しています。
創業は1953年で、主に設計図面の印刷サービスをメーカーに提供する「関口興業社」を前身とします。その後設計図面のトレース、さらには設計へと業務領域を拡大させ、1962年に産業機器の設計事務所としてとして「大阪技術センター(現アルトナー)」を設立しました。以降60年にわたって時代の状況変化に対応した技術者派遣を行ってきました。現在は、「ソフトウェア」「電気・電子」「機械」の技術領域における技術者派遣のパイオニアとして確固たる地位を確立するに至っています。
同社の業績は2023年1月期に、9期連続増収増益を達成しました。この成長実現には、リーマンショック時の経験が活かされています。
注目ポイント
当時同社の技術者派遣事業においては、エンジニアの配属比率が、製品開発領域よりも生産関連領域のウェイトが重かったのです。これは好不況の影響を受け易いことを意味します。実際、リーマンショックを受け、生産関連領域の派遣は契約を打ち切られるという状況となりました。
一方、上流工程(研究開発、設計開発部門)に配属されていた技術者はあまり契約解除にならなかったと言います。
この経験を踏まえ、同社は、景気の影響を受けにくい上流工程への技術者の配属比率を高めていく方針を決定しました。
以降は、上流工程に配属可能な優秀な学生を採用すべく、転職支援制度や成果報酬型の給与体系、エリア限定制度等技術者のニーズを踏まえた社内制度を導入したり、教育、研修を実施するなど、上流工程向けの強化をすすめました。
その結果、技術者単価が上昇し、利益率が上昇するという効果が得られました。
【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。