企業概要
キッツ(6498)は、バルブを中心とした流体制御機器の総合メーカー。水や空気、石油、ガスなどの流体をコントロールする「バルブ製品」をはじめ、継手、浄水器、工業フィルターなどを開発・製造・販売しています。
日本で初めてバルブを開発した企業で、同社の流体制御製品は、上下水施設からガスパイプライン、プラント、産業機器と実に多肢に渡る業界の流体制御に使われています。現在では、国内では20%のトップシェア、世界でもトップ10に入るバルブ業界のリーディングカンパニーとなっています。
展開する事業セグメントは、バルブ事業、バルブの元となる伸銅品事業、リゾートホテル運営などを手掛けるその他事業の3つから成ります。
2022年12月期の売上構成比は、バルブ事業78%、伸銅品事業20%、その他1%でした。セグメントは分けられてはいますが、伸銅品事業は材料内製化から外部販売に派生した事業であり、実質バルブ製造で成り立っていると言えます。
また海外売上高比率は42.0%でした。同社は17か国に拠点を持ち、世界50か国以上で販売実績を持ちます。
注目ポイント
同社では、鋳物などの材料研究から開発・設計、製造までを行う一貫生産体制を基本とした製造を行っており、材質や用途別などニーズに応じた製品開発を行う体制が構築されています。流体制御の対象は、液体だけでなく気体、粉体、スラリーと複数存在しますし、その用途によっても細かい設計を要すからです(何を製造するかでバルブも変える必要)。鋳造からの一貫生産体制によって生み出された商品は9万種以上に及び、国内外で販売されています。
生産体制は、国内工場で高付加価値商品を生産するとともにグローバル生産拠点のマザー工場となっています。海外では、タイ、台湾、中国、韓国、インド、スペイン、ドイツ、ブラジルに生産拠点を設けています。海外生産拠点を持つことで、その地域の規制やニーズに対応した最適地生産を実現しています。
この事業体制を強みに、シェアを獲ってきたというわけです。獲得シェアは国内で20%、世界でもトップ10にランクインするほどですが、特に住宅・ビル設備等の建築設備に使われる青銅・黄銅製バルブ、機械装置やプラントの生産ラインに使われるステンレス鋼製バルブに強みを持っています。