「ボケてる暇はあらへん」
取材中も、昼の12時30分に後場(午後の取引時間)が開くと、これから何を買うのかを早口で説明しながら、次々と注文を入れていく。そのテキパキした動きは、87歳という年齢をまったく感じさせない。
株式市場が閉まった後は、その日の取引履歴をすべて手書きでノートに記録する。取引後の反省も怠らない。
「年を重ねるごとに記憶力は低下してきたと感じます。だから、その日の反省点も含め、ノートをつけている。でも、判断力が衰えたとは思いません。株の売買で頭をフル回転させ、一瞬の値動きに反応することが求められる生活を続けているからでしょう。まさに“ボケてる暇はあらへんで”です。
そうした意味で、投資、なかでもデイトレードは究極の『脳トレ』だと言えるでしょう。認知症予防になるし、やり方次第では資産も築ける。まさに一石二鳥ですわ(笑)」
(後編に続く)
撮影/杉原照夫
※週刊ポスト2024年1月1・5日号