「お金のためというよりも、単純に『楽しい』から」
1990年代のバブル崩壊による不況や阪神・淡路大震災、2008年のリーマン・ショックなど幾多の危機を乗り越えて18億円もの資産を築いた。だが、いまも2LDKのマンションに妻と暮らし、贅沢な生活を送っているわけでもない。
保有株の配当金だけで悠々自適に暮らせるはずだが、「株を引退するのは死ぬ時」だと茂さんは笑う。
「株をやっているのは、お金のためというよりも、単純に『楽しい』から。日々の活力になっているんです。18億円といっても、まだかわいいものです。93歳のウォーレン・バフェットは14兆円だから桁違い。まだまだ十分とは思えません(笑)。
これから毎年6~7%ずつ増やせば、資産は10年で2倍になる。目標は97歳で資産36億円。決して達成不可能な数字ではないと考えています」
肉体労働などとは違い、投資に「年齢は関係ない」のかもしれない。
著書には、こんな言葉がある。
〈私はいまこの生活を楽しんでいます。健康だけを気にして好きなこともできずに窮屈に生きるより、好きなことをやって楽しんで生きるほうが絶対にいい人生だと思います〉
生涯現役の秘訣は、「好き」を突き詰めた日常にあるのだろう。
(了。前編から読む)
撮影/杉原照夫
※週刊ポスト2024年1月1・5日号