2018年1月に起きた「VIXショック」
2018年1月26日にRSIが85を超えた後、いわゆるVIXショックとして知られる急落が発生しました。
この結果、NYダウはわずか10営業日で12%以上下落しました。この時の市場の注目点は主に以下の2つでした。
・利上げによる金利上昇:アメリカの好調な景気を背景に、金融政策の正常化が進み、政策金利が引き上げられました。
・米中貿易摩擦:米国財務長官の中国による人民元の意図的な価値下げに関する発言や、中国に対する厳しい税関検査などが、これらの懸念を増幅させました。
これらのリスク要因が重なり、市場のボラティリティが増加。その結果、“恐怖指数”と呼ばれるVIX指数が急上昇し、VIXショックが引き起こされました。
今のアメリカ株には警戒が必要か?
現在、アメリカ株には歴史的な水準の過熱感が見られ、株価の調整が起こる可能性を指摘する声も増えています。
とはいえ、必ずしも2018年のVIXショックのような大きな下落になるわけではないでしょう。経済指標を見る限り、金融引き締めによってインフレ率は落ち着きを見せてきています。その一方で、雇用や消費は底堅く、ソフトランディング(緩やかな経済着陸)への期待が高まっているからこそ、株価が上昇していると考えられます。
今後の金融政策に関しては、現状でも十分に引き締め的な水準にあるとの発言も見られ、経済やインフレが再び加速度的に強まらない限り、利上げが再度リスク要因になるとは考えにくいです。