忘年会や飲み会が続く師走シーズンといえば、カラオケに足を運ぶ機会も増えるはず。しかし、カラオケ市場は芳しくない状況だ。1990年代にピークを迎えた同市場は、次第に市場規模が縮小し、コロナ禍によって大きな打撃を受けた。
2022年度は2021年度の1440億円から47.9%増の2130億円まで戻り、回復傾向にはあるものの、コロナ前の2019年の市場規模(3800億円)には及ばない(TSRデータインサイト「カラオケボックス運営企業の業績動向」調査より)。
このようにコロナの影響は大きかったとはいえ、そもそもZ世代の若者のカラオケ離れという事情もあるようだ。「友人とカラオケに行く」という行為に対して抵抗感があると語る学生に話を聞いた。
K-POPやHIP-HOPが人気でも「難しくて歌えない」
「ゼミやサークルのメンバーでも『カラオケ行こう!』という会話になったことがないですね。今トレンドの曲はK-POPやHIP-HOPで、私自身もそういう曲をよく聴いています。ただ、K-POPが好きじゃない子と一緒にカラオケに行っても、韓国語のよくわからない曲と思われて盛り上がらなさそうだし、実際に自分も韓国語が歌えるほど理解しているわけじゃないんですよ。
同じようにCreepy Nutsとかフィメールラッパー(女性ラッパー)さんたちの曲も流行っているけれど、それも難しくて歌えないんです。結局、歌いたい曲を歌えないし、空気が悪くなるくらいなら『ヒトカラ』しますよね」(Aさん/20歳女性)