郵便ポストの4分の1は投函量“月に30通以下”
人口激減社会でユニバーサルサービスを維持していくことの困難さは、郵便ポストの厳しい現状が証明している。
郵便事業ではポストをあまねく全国に設置する義務も課されており、日本郵便によれば2022年度末時点の設置本数は17万5145本だ。ところが、4分の1の郵便ポストは1カ月あたりの投函量が30通以下なのである。全体の3.9%にあたる6793本は「月に0~1通」の投函しかない。一方、取集作業は原則ほぼ毎日実施することとなっており、月に0~1通といったほぼ利用されていないポストも含めて配達担当者が回っているのである。
いつポストに投函されるのかも、配達先にいつ届けることになるのかも分からないのに、「その日」に備えて配達要員は確保しておかなければならないということである。人口減少が進めば進むほど郵便局の維持コストが収益に見合わなくなっていく。ここに郵便事業を赤字にする本質的な問題がある。
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