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【国民年金の納付期間5年延長へ】平均寿命まで生きれば受給額は増える見込みだが“受給開始年齡70才に後ろ倒し”の改悪もあり得る

国民年金の納付期間が5年延長された場合、「支払う年金」が約100万円も増える

国民年金の納付期間が5年延長された場合、「支払う年金」が約100万円も増える

受け取れる年金は増えるのか?

 5年間で約100万円。それだけの金額を新たに負担することになるとすれば、当然、気になるのは「受け取れる年金は増えるのか」。

 現行制度では、65才から年金の受給を開始すると、満額で年間79万5000円を受け取れる。「5年延長」が実現した場合、現在と同様の水準とすると、受給額は年間89万4300円になるので、1年あたり約10万円増えることになる。

 トータルで約100万円多く払って年約10万円増えるということは、単純計算で「いままでより10年長生きしないと元が取れない」とも言える。

 果たしてこれは得なのか、損なのか。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが言う。

「例えば、年金の受給開始年齢である65才から女性の平均寿命である87才までの22年間、年金を受け取るとすると、現行制度における受給総額が約1749万円なのに対し、5年延長すれば約1967万円になり、受け取る額は約220万円増える試算です」

 つまり、平均寿命まで生きることができれば、増えた保険料(約100万円)を差し引いても、受給額は約120万円増えるということ。

 だが、これはあくまでも「受給開始が65才のまま」と仮定した場合の話。保険料の納付期間が65才まで5年延長されることで、原則65才となっている受給開始年齢も5年後ろ倒しになり「70才から受給開始」になる可能性も大いにあり得ると、北村さんは言う。

「2000年の改正で受給開始年齢を原則60才から65才に引き上げたとき以上に、年金財政は苦しくなっています。まずは経過措置として受給開始年齢を67才や68才に引き上げ、最終的には70才から受給開始が原則になるのではないでしょうか」(北村さん・以下同)

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