上昇基調が続く日本株を横目に、今年に入り韓国株の低迷が著しい。韓国を代表する株式指数である韓国総合株価指数は、1月2日に場中で付けた2675.8ポイントが今年の高値となっている。3日からは8営業日連続で下落、15日は0.04%高と下げ止まったものの、翌16日には再び下落し、年初来高値から6.7%安い2497.60ポイントとなっている。過去最高値(場中ベース)は2021年6月25日に付けた3316.08ポイントなので、この高値からは約25%低い水準だ。1月15日までの日経平均株価が6日続伸、約34年ぶりの高値を更新したのと比べると対照的な値動きとなっている。
なぜ、グローバル投資家は韓国株を敬遠し日本株を買っているのであろうか。中国の貿易統計の中に、その答えがあるように思える。
対中貿易黒字が3分の1に減少
中国海関総署が12日に発表した2023年のデータ(速報値、ドルベース)によれば、中国から韓国への輸出は7.2%減、輸入の落ち込みはさらに大きく18.7%減となった。中国全体では輸出は4.6%減、輸入は5.5%減なので、全体と比べて、中韓貿易の落ち込みは顕著である。
特に注目されるのは両国間の貿易収支だ。2023年の貿易収支(中国側)は127億6360万ドルの赤字だが、その赤字額は2022年の34.5%に留まっている。韓国側からいえば、対中貿易黒字が前年の約3分の1強にまで減少してしまったということだ。
韓国側の統計(韓国貿易協会、ドルベース、以下同様)をみると、2022年における最大の輸出先は中国であり、全体の22.8%を占めている。ASEANは18.3%、米国は16.1%、欧州は13.3%で、日本は4.5%である。一方、輸入先でみても中国が最大で全体の21.1%を占めている。以下、比率の大きな国・地域を挙げておくと、中東が15.0%、欧州が13.2%、ASEANが11.3%、米国が11.2%、日本が7.5%だ。
2022年の韓国の貿易収支は全体で477億8500万ドルの赤字であった。輸入額が輸出額を大きく上回っている品目は鉱産物、農林水産物など。順に輸入比率を示すと33.8%、7.0%であった。一方、輸出額の多い品目を挙げると、電子・電気製品、機械類、化学工業製品などだが、これらの品目は少なからず輸入もある。