“推し”のデビューで地元のふるさと納税が増えた
厳しい競争に勝ち残っていくメンバーは100%視聴者投票で決まるとあって、冒頭の通り“選挙活動”に勤しんだファンも多かった。国プを自称する30代女性が興奮気味に語る。
「投票できるのは国プ1人につき1日1回のみ。毎日日付が変わると同時に投票サイトにアクセスして票を入れるのはもちろん、いかに周囲を巻き込んで、自分の“推し”に投票してもらえるかが勝負を分けるカギになる。応援している笠原桃奈ちゃん(20才)が勝ち進めるよう、職場の同僚に片っ端からお願いしました。
『通っている大学で投票を呼びかけるビラを配った』とか『飲み屋をはしごして初対面のお客さんや店員さんにお酒をおごって片っ端から投票してもらった』なんて強者も。とにかくみんな、必死だったんです(笑い)」
“推し”を取り巻く熱風に取り込まれた国プの中には、“選挙はプロ”である政治家もいた。
「かなり熱心に“選挙運動”に励みました。いまだから言えますが……」
とにこやかに語るのは、岡山県美咲町長の青野高陽さん。人口約1万3000人の小さな町である美咲町出身の高校2年生・村上璃杏(17才)がファイナルステージに進出したことを知り、バックアップに奔走したのだ。
「オーディションにうちの町の子が参加していることは役場の職員が教えてくれて、気になってはいたけれど50過ぎのオジサンがアイドルを推すのもおかしな話だし、最初は自重していたんです。だけど“最後の20人に残った”と聞いて、しかも最終決戦ではそれまでに獲得した票がリセットされるそうじゃないですか。“こりゃ大変だ!”と必死に応援を始めました。
だけどいままで『日プ』はもちろん、オーディション番組なんて見たこともないから戸惑いも多くて……(笑い)。『国プ』だとか『1pick』(※いちばん推している練習生のこと)だとか未知の単語が飛び交う中、懸命に勉強して、自分のSNSで番組を告知し、投票をお願いしました」(青野さん・以下同)