診断時に一時金として100万円程度が支払われるケースが多いが、商品によっては給付が初回の「1回きり」だったり、「通算5回まで」「回数無制限だが、頻度は2年に1回まで」といった制約を設けている契約もある。
「発生部位などによっては再発・転移の可能性が高まるので、診断給付金の条件はきちんと確認しておきましょう」(同前)
「通院保障」の限定条件には要注意
がん保険には「通院保障」が付くものがあるが、支払い要件に注意が必要だと丸山氏は言う。
「通院保障のなかには、『20日以上入院後に通院したとき』といった条件が付く場合があります。近年は、標準治療の放射線治療や抗がん剤治療を受ける場合でも初めから入院せず通院だけで治療を進めるケースも。通院給付に限定条件が付いているがん保険は、現在のがん治療に即した保障内容とは言えないでしょう」
同様に放射線治療に対する給付条件にも目を配りたい。保険によっては、「総線量が50Gy(グレイ)以上の場合のみ給付」とする商品があるからだ。保険の営業担当が言う。
「近年の放射線治療は、がんの種類によって患者の負担がより少ない短期間照射・分割照射を行なうことがあります。しかし、従来のがん保険の多くは50Gy以上の給付条件があるため、給付の対象外となるケースが頻出しています。身体的負担の少ない最善の治療を受けようとするとがん保険契約者の経済的負担が増えるという、深刻な矛盾が生じています」