都市部において老朽化した物件の立ち並ぶエリアはまだ多い。そうした地域への開発強化が行われようとしているし、都市化が進展する余地もある。賃貸住宅の供給も不足している。中国の経済体制は、金融を含め国家が経済を積極的にマクロコントロールしようとする“日米欧とは大きく異なる体制”であり、日米欧の経済理論で中国経済を推し量ることは難しい。共産党が調整させた不動産市場だ。回復させるのも共産党である。
日本株投資家の立場に立てば、中国不動産市況の回復が遅れている間は資金流入の恩恵が受けられるかもしれない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」も発信中。