吉田みく「誰にだって言い分があります」

初ボーナスで両親に高級マフラーをプレゼント 「親孝行」のつもりで奮発した子供の気持ちはなぜ母に届かなかったのか

パート仲間が「息子さん、高給取りなの?」と詮索

 ユミコさんが続ける。

「もちろん気持ちはとても嬉しいですが、私たち親に使うくらいなら、奨学金の返済や自分の将来のための貯金に回してほしかったのが本音です。それに、近所のスーパーやパート先くらいしか行かない私たちが、高級ブランドのマフラーを使う機会もないだろうと感じています……」

 ためらう気持ちを抱きつつも、ユミコさんは息子に貰ったマフラーを着けてみたそうだ。近所の知人からは「ステキなマフラーね」と褒められることが多かったが、勤務先ではパート仲間に心配されたという。

「『そのブランドのマフラーが2本ということは、私たちの月のパート代よりも高いんじゃない?』と指摘されました。高いものだとは思っていましたが、想像以上の金額だったようです。『息子さん、高給取りなの?』などの詮索もされ、モヤモヤしました。

 それから子供にしてもらったことの話題に花が咲きましたが、レストランでの食事、エステ券が挙がった以外は、特に何も貰っていないという人が多い印象でした。そんななか、プレゼントをくれた息子には感謝すべきはずなのに、なぜかモヤモヤが残ってしまうんです……」

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