国内外の国家プロジェクトに食い込む三菱重工
三菱グループは海外展開が中心の企業が多く、「業績好調は現在の円安の追い風による部分が大きい」と前置きしたうえで、「それでも躍進は続く」と、経済ジャーナリストの福田俊之氏は読む。
「三菱重工の復活が大きいでしょう。社運をかけた国産旅客機スペースジェットの開発断念など、一時はグループの足を引っ張る存在と見られた重工ですが、同社は造船や機械などで技術立国・日本の経済を下支えしてきた歴史がある。
1月に月面着陸に成功した実証機SLIMを月に送ったH2Aロケットの他、重工は日英伊3か国による次期戦闘機の共同開発や原子力関連など、国内外の国家プロジェクトに食い込み、存在感が増している」
創業家である岩崎家の家訓は「国家の利益を心に置きすべての事業を行なえ」。これを三菱重工が忠実に遂行することで、グループ企業のみならず、傘下に連なる企業にも成長をもたらしている。
“三菱バブル”は令和バブルのトリガーにもなりうるのだ。
※週刊ポスト2024年2月9・16日号
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