かつての牛丼チェーンといえば、“早い”“安い”“メニューが画一的”というイメージが強かったが、昨今では大きく変化している。グルメコメンテーターの柳生九兵衞さんが解説する。
「一時は吉野家一強でしたが、2003年の狂牛病の感染拡大で米国産の牛肉が入手できなくなったことを境に、後発のすき家や松屋が牛丼以外のメニュー開発に力を入れ、支持が広がりました」(柳生さん・以下同)
たとえば、すき家は海鮮系の丼物をそろえ、肉が苦手な人も利用しやすい。
「ミニサイズの丼やチーズをのせた牛丼、かわいい器など、女性客への配慮も。石原さとみのCMで、より親しみやすさが定着したのではないでしょうか」
一方の松屋は、定食の充実ぶりが顕著だという。
「しかも、常に短いスパンで期間限定商品を出す。いつ行っても新しいメニューがあると期待感を醸成させる店です」
ファストフードの隆盛は、“ファスト”なひらめきではなしえない、緻密な戦略の賜物だったのだ。
ファンが語るすき家、吉野家、松屋の魅力
本誌・女性セブンでは、読者を対象に好きなファストフードに関するアンケート(1月17~21日に、本誌サイト『女性セブン倶楽部』の会員2682人が回答)を実施。そのなかから、牛丼チェーンに関する声を紹介しよう。
まずは、すき家。女性には濃厚な「とろ~り3種のチーズ牛丼」(並590円~)のほか、カレーや海鮮丼の人気も高い。
「他社の牛丼より味付けが甘めなのが好みです」(26才・その他)
「給料日前にガッツリ食べたいときに利用します。特に『炭火焼きほろほろチキンカレー』のとろけるような鶏肉が美味」(45才・会社員)
「ネギトロが大好きな私。すき家でネギトロ丼を発見し思いきって注文したら、こんなにおいしいものをなぜいままで食べなかったんだと後悔した」(42才・パート)
吉野家の牛丼(並648円~)には、ベテランファンが多い。
「紅しょうがと牛丼つゆだくの相性がよすぎて、定期的に食べたくなります」(50才・パート)
「牛丼つゆだくにポテトサラダセット(239円)を加えると、よりおいしくなる」(66才・会社員)
「牛丼の上に卵黄とたっぷりのねぎがのった『ねぎ玉牛丼』も一度食べると病みつきになります」(72才・公務員)
「40年以上前は牛丼=男性が食べるものという風潮でしたが、どうしても入ってみたくて新橋の吉野家へ。サラリーマンの中に女性は私ひとり。アウェイ感が半端なかったです」(63才・主婦)
定食の豊富さが評判の松屋は、小鉢が選べるのもポイント高し。もっとも人気を集めたのはこちら。
「肉の香ばしさがたまらない『厚切り豚カルビ焼肉定食』(900円)がおすすめ」(45才・会社員)
※女性セブン2024年2月15日号