2月10日からの「春節」をはさむ大型連休と、前後を合わせた40日間(1月26日~3月5日)について、中国当局は「90億人の民族大移動」を予測。コロナ禍前を上回る大きな数字に、“人気観光地”である日本も景気拡大のチャンスと捉える一方、戦々恐々としている。
“爆買い”により、ドラッグストアや家電量販店が品薄になる、東京ディズニーリゾートや富士山などの観光スポットに長蛇の列ができて“横入り”をはじめとしたトラブルが起きるなど、海の向こうの「正月休み」には例年日本も翻弄されてきたからだ。しかし、今年はどうやら様子が違うようだ。インバウンド評論家の中村正人さんが解説する。
「中国経済の悪化で、団体旅行で訪日していた中間層が海外旅行をする余裕がなくなってきている。そのため、バスで繁華街の大通りに乗り付けて『爆買い』する集団は、今年はほとんど見られないでしょう」
ツアー観光客が減少傾向の一方、個人旅行は以前に増して活発だと、中国事情に詳しいジャーナリストの中島恵さんは言う。
「団体旅行の場合、“富士山を見て、銀座で買い物をして”など定番スポットを巡るコースがほとんどでした。ですが、個人旅行で日本を訪れる中国人は、ありふれた旅行スタイルに魅力を感じなくなってきており、“自分なりの魅力的な行き先を探す”というのがトレンド。今年の春節は外国人観光客がほとんど来ないような場所に中国人がひょっこり現れ、思わぬ混乱が生じる可能性があります」
2月は日本にも祝日が2回あり、レジャーや旅行の計画を立てているという人も多いだろう。待ちに待ったせっかくの休日、思わぬ“春節トラブル”に巻き込まれるかもしれないスポットを検証する。