住まい・不動産

【4月から相続登記が義務化】不動産が“曽祖父の代の名義”のままだと大変なことに! 戸籍取得・遺産分割協議書作成に膨大な手間

不動産「相続登記」の手間を減らす準備3

不動産「相続登記」の手間を減らす準備3

 曾祖父、曾祖母に始まって、祖父母の代の兄弟姉妹全員、父母の代の兄弟姉妹のうち既に亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を取得し、さらに存命中の相続権者の戸籍謄本も必要……といった具合にねずみ算式に必要書類が増えていくのだ。

「戸籍類を集めただけでは終わりません。登記名義を取得する相続人を確定するには、遺産分割協議書を作成しないといけない。その際には、相続権を引き継いだ人たち全員の署名・実印・印鑑証明書を受領しなくてはなりません。相続権者が数十人になっていることもあり、全員の協力を得るのが困難という問題も生じます」(野谷氏)

 地方の家屋や田畑、山林で名義変更されていない例が目立つといい、相続登記の義務化により、各地で問題が噴出すると懸念されているのだ。

遺産分割書をまとめるための期間と費用

 真面目な人ほど、「ルールが変わる以上は、自分がなんとかしなくては」などと考えがちだが、そこはむしろ、「専門家にある程度、任せてしまおう」という“手抜き”の発想をしたほうがよさそうだ。登記業務を代行できるプロといえば司法書士だが、前出・野谷氏はこう話す。

「曾祖父・曾祖母の代から名義変更なされていないといった不動産の相続登記について、私たちの司法書士法人で受託した場合、必要な戸籍類の収集から始め、依頼者と協力しながら相続権のある方全員に連絡を取って遺産分割協議書への署名などを取り付けたうえで、相続登記を完了させるという流れになります。

 相続登記が放置されてきた原因が、“親族間の不和”というケースも少なくないので、専門家が間に入りながら適度に依頼者本人も関与していくといったかたちが望ましいと思います」

 遺産分割協議書をまとめるための期間は他の相続権者がどのくらい協力的かでケースバイケースだが、戸籍の収集は1~2か月、法務局への登記申請は2週間~1か月程度で終わるという。「費用は当該の不動産の評価額などで変わるが、都内の一戸建てなら40万円前後が一般的」(野谷氏)といった水準だ。

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