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「人新世の時代」の行きすぎた資本主義 利益追求の金儲けシステムに組み込まれたSDGsに意味はない

経済思想家の斎藤幸平氏(撮影/浅野剛)

経済思想家の斎藤幸平氏(撮影/浅野剛)

 そこで斎藤さんが注目しているのがドイツの経済学者、カール・マルクスの考え方の見直しだ。晩期のマルクス思想の中に解決のヒントが見いだせると話す。

「マルクスというとソ連や中国の共産主義を思い浮かべる人が多く、古くて危険な発想だというイメージがありますが、昨今世界では再びマルクスに注目が集まっています。

 資本主義のもとでは、お金を出せば便利で魅力的なものが買えます。しかし裏を返せば、お金がなければ何も買えないし、生きていけないということ。お金を得るために必死で働いても、貧富の差が埋まるどころか格差は広がり、自然環境や人のつながりなどお金より重要なものを維持できなくなる。

 マルクスはそうした資本主義に取り込まれた生き方を否定し、かつ自然の持続可能性のために人間と自然の関係性を変えていく必要性にも言及している。現代こそ着目すべき視点です」

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【プロフィール】
斎藤幸平/東京大学大学院准教授。1987年生まれ。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。著書に『ゼロからの「資本論」』『人新世の「資本論」』など。

取材・文/戸田梨恵

※女性セブン2024年2月22日号

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