「今年こそは貯金をしよう」と目標を立てても、なかなか実行に移せないという人は多いかもしれない。では、貯蓄を着実におこなうにはどのようなコツがあるのか。米国でグローバル外食企業を成功させた起業家であり、著書『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』が話題のキム・スンホ氏が、貯金を増やし、投資に回していくための方法を解説する。
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貯金できない人の言い訳のナンバーワンは、収入が少ないのでお金が足りないから、というものだ。
しかし、お金が足りないのは、未来の収入をあてにして、いまお金を使ってしまったからだ。いま使った分は時間が経つにつれて過去の負担として蓄積し、結局は現在と過去の両方から苦しめられることになる。この状況を招いた張本人は自分自身だ。
収入は少ないのに金遣いが荒く、多少なりとも残ったお金も、こんな少額では投資に回しても仕方ないと考え、貯蓄できない人がいる。だが、こうした人は収入が多くても同じことを言うものだ。収入が増えただけ消費も増え、クレジットカードで未来の収入を使ってしまうのだ。高給取りや事業で稼いでいる人にも、こんな人は多い。だから、貯金ができないのは収入が少ないからではなく、生活態度の問題だ。
絶対に未来の収入をあてにして、いま使ってはならない。クレジットカードにハサミを入れて、デビットカードを使うべきだ。クレジットカードのポイントのことは忘れよう。それはカード会社からのプレゼントではない。ポイントの目的は、「もっと使わせること」、「ポイントを貯めるために購入させること」だ。ポイントで消費者を惑わせ、無用な物を買わせて消費を増やすという手法だ。
これはまるで、卵を取ろうとして雌鶏(めんどり)を殺すようなものだ。
手持ちの現金がなくても、未来の収入で買えるからという理由で、数%にもならないポイントに目がくらんで消費の限界を崩してしまうわけだ。
ここで最も多い言い訳は、どうせ必要なものだから、ポイントをもらったほうが賢い、という理屈だ。
しかし、この理論が正しければ、カード会社はポイントサービスをとっくに廃止しているだろう。今月からカードを使うのをやめて、デビットカードや現金に切り替えれば、無駄遣いが目に見えて減ることがわかるだろう。その利益はポイントより多くなるはずだ。
1万円分のポイントを貯めるには100万円分の買い物が必要であり、そのうち数十万円は無駄遣いだからだ。カードを使うのは本当に馬鹿げている。