低価格かつアルコール度数も高い“ストロング系チューハイ”。そのコスパの良さから“手っ取り早く酔える”と一部で人気を集める一方、健康リスクも問題視されるようになり、メーカーが販売を終了する流れが起きている。2022年4月にオリオンビール、今年2月にはアサヒビールとサッポロビールが、今後はストロング系チューハイの新製品を発売しない方針を固めたと報じられている。
実際に以前は好んで飲んでいたものの、最近“ストロング系チューハイ離れ”した人たちもいるようだ。かつての愛飲者たちに、ストロング系チューハイにハマった理由と離れた事情を聞いてみた。
10時出勤だったのに起きたら14時で…
メーカー勤務の30代女性・Aさんは、仕事も恋愛も上手くいかず八方塞がりだった時期がある。そんなときにハマったのがストロング系チューハイだった。
「甘くて飲みやすく、安いうえにすぐに酔えるので、完全に拠り所になっていました。毎日500mlを1~2缶飲めば、何も考えられなくなって寝落ちする生活。ちょうどコロナの影響で在宅勤務になった頃で、多少二日酔いでも仕事ができたのもよくなかったかもしれません」
出勤に切り替わってからも、ストロング系チューハイを飲み続ける日々。Aさんはある日、いつもより多く飲んでしまい失態をおかした。
「その日は3本飲んで寝たんです。そうしたら、10時出勤のところ、起きたら14時でした……。最初、何が起きたか理解できませんでした。スマホには着信とメールの通知がめちゃくちゃ来ていて、慌てて連絡しました。お酒のことには触れず、『意識を失っていた』とだけ説明しました。
他のお酒ではこんなことはなかったのに……と、この一件からストロング系が怖くなり、飲むのをやめました。量に気をつければいいだけなんでしょうが、ストロング系はなんだかどんどん飲んでしまうんですよね。だから飲まないほうに振り切ったんです」(Aさん)