「この人の場合、所得税率が10%なので、確定申告により10万円の控除が追加されると、1万円節税できることになります」(山本氏)
定年後も長く働くのが当然になってきた時代に、「年1万円」は軽視できない金額だ。年金受給開始から10年間働くなら、それだけで10万円の違いとなる。
退職金からも還付のチャンス
また、まだ体が動くこの時期だからこそ、将来を見据えて自宅のバリアフリーリフォームを進める人も多いが、そうした場合に受けられる控除もある。
「バリアフリーリフォームをする場合、住宅ローンで資金を調達して返済期間10年以上、工事費用100万円超なら最大14万円の『住宅ローン控除』を10年にわたって受けられます。また、ローンを組まなくても工事費用が50万円超なら『住宅特定改修特別税額控除』として、最大60万円を1年間に限り控除できる可能性があります」(土屋氏)
他にも省エネ改修や耐震改修、一般的な増改築やリフォームであっても所定の条件を満たせば控除が適用される。省エネと耐震改修はローンを組まない場合は62.5万円、耐久性向上+耐震+省エネ改修工事を同時に行なうと75万円といった控除が受けられる。バリアフリーリフォームや増改築の控除のための要件は複雑なため、改修工事をする前に税務署などで確認することが望ましい。
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