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バンクシーが日本で標識に落書きアートを描いたら処罰されるのか? 弁護士は「管理する役所が柔軟な考えを持つかは疑問」

 このように実際の取り締まりはともかくとして、我が国では落書きに対しては刑事罰をもって規制しています。そこでバンクシーですが、その絵は美的に優れていますし、主張も明確です。私はバンクシーの絵が描かれた建物や塀の価値が増すことはあっても、効用を減じることはないので、損壊や汚損には当たらないと思います。

 しかし、公共物の場合、果たして管理する役所が柔軟な考えを持つかは疑問で、保全するには世論のバックアップが必要です。ただ、交通標識に描かれると、本来の効用を失わせます。その結果、危険が生じる場合には、バンクシーといえども許されないでしょう。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

※週刊ポスト2024年3月8・15日号

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