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【進化するがん治療】ケアシステムも充実化「がん相談支援センター」ではお金や仕事の相談も可能 退職を促された際の対応策も

罹患者数に比べて死亡者数の増加は鈍い

罹患者数に比べて死亡者数の増加は鈍い

会社と交渉してくれるがん相談支援センター

 薬そのものに加え、施設のケアシステムやグッズも進歩を遂げている。

「中でもがん対策基本法で定められたがん診療連携拠点病院は、副作用に対する情報や経験が豊富です。

 吐き気については新しい制吐剤が開発され、以前より対処しやすくなっている。脱毛は自費になりますが、特殊な副作用対策のキャップで頭を冷やし、脱毛を減らす手法を取り入れている病院もあります。手足のしびれや感覚がなくなるなど神経障害が出ることもありますが、『牛車腎気丸』などの漢方薬でやわらげるという方法もある。

 また、乳がんや胃がん、肺がんなどでは、医師から複数の薬を提示されることがあります。その際、医師と相談しつつ副作用に脱毛がないものを選ぶなど、個人の希望を伝えられることもあります」(村上さん・以下同)

 副作用が大きく改善された結果、仕事を辞めたり休んだりせずに治療を続けることも可能になってきた。

「がん診療連携拠点病院の『がん相談支援センター』には、看護師やソーシャルワーカーがいて、がんの診断や治療、副作用だけでなく、お金や仕事の相談にものってもらえます。もし職場から“がんだから働けないよね”と退職を促されても、対応策を教えてもらえ、代わりに会社と交渉してくれることもあります」

 仕事に加え、治療中の妊活についての常識も大きく変わりつつある。特に女性ホルモンの影響を受ける乳がんでは、治療中の妊娠・出産はNGだとされていたが、「ホルモン療法を中断しても短期的には乳がん再発率は変化しない」ことが明らかになった。

 実際、お笑いタレントのだいたひかる(48才)は乳がん治療を中断し、凍結していた卵子で不妊治療を受け、2年前に出産。治療と卵子凍結などを両立する選択も積極的に受け入れられるようになったのだ。

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