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【進化するがん治療】まず選択すべきは健康保険の対象の標準治療 「がんが消えた」の宣伝文句や「がんに効くサプリメント」などには要注意

日本人のがん死亡率はOECDで7番目に低い

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「標準治療と併用可能」のうたい文句に要注意

 村上さんも注意を促す。

「どんなに立派な経歴や肩書を持った医師が名を連ねていても、自由診療のクリニックは検討しなくていい。高いお金を払っても、無駄になるだけです」

 特に気をつけるべきは「免疫療法」という文言だ。国立がん研究センターがん対策情報センター本部副本部長の若尾文彦さんが語る。

「10年、20年以上前から“免疫療法は効かない”といわれているのに、いまだに多くのクリニックで行われています。よくあるのが『標準治療と併用可能』といううたい文句。標準治療と自由診療の組み合わせは健康保険が使えない『混合診療』に該当するため、標準治療分も全額支払う羽目になります。

『水素温熱免疫療法』では“がんが消えた”と広告を打ち、効果が確認されていない免疫療法を実施していたクリニックが業務停止になったこともあります。画像の撮影法を変え、がんが消えたように見せていましたが、本当にがんが消えているかはわかりません。

 また、“末期がんが消えた”という宣伝文句も要注意。そもそも、末期がんではないがんを末期と偽っているケースもありました」(若尾さん・以下同)

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