検索で上位に表示された情報が必ずしも正しいわけではない
それでも手を伸ばしてしまうのは、不安な心に、「これでがんが100%治る」「がんをあきらめないで」といった甘い言葉が入り込んでくるからだ。
「ネットを検索して出てくる情報のうち、信頼できるのは10%程度しかありません。情報を見極めるときは『か(書いた人)』『ち(違う情報と比べたか)』『も(もとネタは何か)』『な(何を目的とした情報か)』『い(いつの情報か)』の5点をチェックしてほしい。
また、検索で上位に表示された情報が必ずしも正しいわけではないことも覚えておいてほしい。ネットなら国立がん研究センターが運営している『がん情報サービス』の情報を参考にしてください。科学的根拠に基づいた情報のみ掲載されています」
「すべてのがんに効果がある」といった文言も注意が必要だ。
「がんは遺伝子の変異で発生する病気なので、個々のがんによって変異する遺伝子は異なります。つまり、すべてのがんに効くことは通常はありえません。
また、“絶大な効果があった”など統計やデータに基づいていないあやふやな文言も、効果があった人だけを集めていたり、計測が正しく行われていない場合がある。本当に大勢の患者に効く治療法なら個人のクリニックでちまちまやらず、臨床試験を経て標準治療にした方が世界中でその治療が広がり、多くの人が救われますし、当然その方が儲かります」