「契約を解除したい」「不良品かも」など、消費者からのさまざまな相談に応じ、助言やあっせん(交渉の手伝い)を行っているのが「消費生活センター」などの相談機関。原則として「消費者と事業者間の取引」が対応範囲だが、犯罪まがいの商法や個人間取引の相談も後を絶たない。
「消費生活センターには、年間90万~100万件の相談が寄せられています」とは、相談事例の情報発信や注意喚起を行う「国民生活センター」の飯田周作さん。現在トップの相談案件を聞くと、「インターネット通販関連です。特に、中高年以上の化粧品・健康食品の定期購入に関する相談件数が多いです」という。
一方で、在宅の高齢者を狙う訪問販売や電話勧誘も、いまだ少なくないという。
「特に、自然災害発生直後に激増します。能登半島地震でも、被災者の不安を煽って屋根修理を持ちかけたり、地震保険の申請代行をすすめる例が報告されています」(飯田さん)
消費生活センターと同様の相談機関である『NACS(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)』理事の丹羽典明さんも、「各地の社会福祉協議会が組織する公的なボランティアでも、受け入れ体制が整うのに最低2週間はかかる。悪質業者はその隙を突いてやってくるのです」と指摘する。
以下、よくあるトラブルの傾向と対策を丹羽さんに解説してもらった。