あえてマルを使ってニュアンスのやり取りをしている
Aさんと同様の見解を持つ若者は少なくない。都内で美容師をしている女性・Bさん(21歳)も公語る。
「最近、この“マル”の話題でSNSが盛り上がっていますが、若者がバカにされているような印象を受けました。若者だってTPOぐらいわきまえていますし、それを使う相手の気持ちを感じ取ることができます。
たしかにマルがネガティブな意味を持つケースはあります。たとえば友人や恋人に謝罪をした後の、『わかった』と『わかった。』という返信には違う印象を受けます。後者のほうが突っぱねられている気がする。実際に怒っていることを表明するために、わざとマルを使う友人もいます。友達が遅刻してくるときや、何度も約束を破った時に、あえて『りょーかい。』『おけ。』と、怒っているニュアンスを入れてみたりします。
このように、普段はマルをつけないような、同世代の友人同士のやり取りのなかで、マルのニュアンスを汲み取りあっているんです。私たちだって、当たり前のように仕事のやり取りをするし、小説も読むし、受験勉強の現代文を解いてきましたから、句点自体にネガティブな印象を持っているわけじゃないんです」(Bさん
若者は年長世代と日本語を使う感覚が異なるから「マルハラに気をつけよう」といった語り口もあるが、それが一部の若者にとっては“若者批判”に受け止められてしまっている側面もあるようだ。