近年、ジェンダーの多様性に対する意識が高まるなか、2024年2月時点で首都圏と近畿圏にある一部の私立女子中学校・高校が、「戸籍上は男性だが、性自認は女性」であるトランスジェンダーの生徒受け入れを検討していることが報じられた。男女別の枠組みに変化を迫り、別学のあり方を問い直すものとして注目を集めているが、一方で女子校出身者たちからは、より慎重な検討を求める声も聞こえてくる──。
「未成熟で不安定な時期の生徒たちへの影響を考えるべき」
小学校から高校まで12年間都内にある私立女子校に通い、現在は美容医療業界で働く女性・Aさん(30代)は「受け入れについては慎重になってほしい」と訴える。
「私は12年間女子校に通いましたが、なかには高校生から『男性』という性自認を持ったトランスジェンダーを公言する友人もいました。そのなかで、男性の性自認を持つ私の友人が“あえて体毛を剃らない”、“男っぽい言葉遣いをする”という振る舞いにも理解を示していたんです。
また、女子校の生徒には部活の先輩などに対して“憧れ”か、“恋心”か、あるいは“性欲”かわからない感情を抱く経験をする人は珍しくありません。第二次性徴を迎える自分のカラダにも向き合っていく不安定な時期には、性自認や性愛の対象も不安定になりがちです。
時間をかけて育んだ友人関係のなかで、性の多様性を学んでいくことはよいですが、はなからトランスジェンダーを受け入れるという方針は、まだ未成熟な生徒たちに少なからぬ影響を与えると思うのです。受け入れについては、生徒へのヒアリングなども含め、もっと慎重な議論を重ねたうえで答えを出してほしいです」(Aさん)