「将来、娘を母校に入学させられないかも…」
祖母の代から都内の私立女子校に通っていた女性・Bさん(20代)は、今回の報道を目にして、「将来、娘を入学させられないかもしれない」と本音を語った。
「私個人としては、学校側がトランスジェンダーを受け入れるのではなく、共学がトランスジェンダーを含む性的マイノリティに対して、より適切な対応を推進していくことが先決だと思います。私立である以上、生徒や保護者には『女子校で学び、そのことに学費を払う権利』があるわけで、それは戸籍上の女性だけの空間であることを前提にしています。
多様性を謳う社会に学校がどう対応していくか、『女性』の範囲を拡張するのではなく、従来どおりの『女性』の権利も大事にしてほしい。伝統的な価値観や校風を重んじ、“女子校”の意義を守るという判断は、決してマイノリティ差別には相当しないはずです」(Bさん)
Bさんは母校に子どもを入学させることが、夢のひとつだという。
「私は祖母、母と同じ私立の中学・高校に通っていましたが、自分がいずれ娘を授かった際には母校に入学させたいと思っていました。でも、もし母校がこうしたトランスジェンダーの受け入れをするようになったら、別の学校を選んでしまうかもしれません。
それはトランスジェンダーの方がどうこうだからではなく、『私の知っている、いままでの母校とは違う』という理由からです。これほど大きな改革を進めていくのであれば、母校に思い入れのある卒業生たちの声もしっかりとヒアリングをしたうえで検討していただきたいです」(Bさん)
性的マイノリティの生きやすい社会に向けて、さまざまな領域で変化が求められている。「女子校」という存在のあり方もまた、こうした社会の風潮のなかで問い直されるときが来ているのかもしれない。いずれにしても、慎重な議論が必要だろう。