閉じる ×
中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

厚労省「飲酒ガイドライン」発表でお酒の広告どうなる? 「JTのようにマナー啓発CMばかりになる」流れも

「飲酒ガイドライン」が発表されたことで広告表現にどう影響するか?(イメージ)

「飲酒ガイドライン」が発表されたことで広告表現にどう影響するか?(イメージ)

 厚生労働省は2月19日、「飲酒ガイドライン」を発表した。「1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上」で生活習慣病のリスクを高めるという。純アルコール量20gは、ビールロング缶1本、日本酒なら1合弱に相当する。国として初めてガイドラインが出されたことで、広告表現にも影響が出てくるのではないか、と指摘する声もある。大手広告会社出身のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が、今後のお酒の広告がどうなるかを考察する。

 * * *
 酒が悪者にされる風潮は世界的なもので、日本のビール会社各社も、いわゆるアルコール度数9%とかの「ストロング系チューハイ」から撤退する動きを見せています。

 そうしたなかで今回の厚労省のガイドラインは、酒全般に影響をもたらす可能性があります。政府や役所が何らかの指針を示し、世論がそれに反応するとメーカー・業界団体は動くもの。アルコール広告規制についても前例があり、2017年にはこう報じられています。

〈日本酒造組合中央会、ビール酒造組合など業界9団体でつくる「飲酒に関する連絡協議会」が昨年7月、広告の自主基準を強化し、〈テレビ広告で喉元を通る「ゴクゴク」等の効果音は使用しない〉〈お酒を飲むシーンについて喉元アップの描写はしない〉という規制を設けた。

 自主規制といっても、内閣府のアルコール健康障害対策関係者会議ワーキンググループの会議で「アルコール依存症の人に苦痛を与える」といった指摘がなされ、業界がその指導に従ったものだ〉(週刊ポスト2017年4月28日号)

 同記事では酒CM出演者の年齢がエキストラも含め、20歳から25歳に引き上げられたことも紹介しています。このように、広告の規制というものは、管轄の役所や社会の空気感で強制もできるし、自主規制もできるもの。

次のページ:ビールが注がれる表現すら禁止されている国も
関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。