投資情報会社・フィスコが3月4日~3月8日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。日本のインフレ指標で伸びが鈍化し、金融緩和継続の思惑が広がれば円売りに振れやすい。また、米早期利下げ観測後退ならドル選好地合いが続く見通し。
2月27日に発表された日本の1月消費者物価指数(CPI)コア指数は前年比+2.0%と市場予想を上回った。ただ、12月の+2.3%から低下している。2月CPIの先行指標となる東京都区部CPIが低下した場合、日本銀行の緩和修正期待の後退でドル買い・円売りが強まる可能性がある。日銀当局者は金融正常化に前向きな見解を示し、今月開催の金融政策決定会合でマイナス金利は解除されるとの見方が高まっている。ただ、3月発表の2月全国CPIコア指数は前年比+2%を下回る可能性もあり、マイナス金利解除は4月以降とのシナリオもある。一方、米1月個人消費支出(PCEコアデフレーター)は前年比+2.8%と市場予想に一致したが、伸びは前回から低下した。ただ、インフレ抑制のペースは緩慢で、米2月CPIが次の注目材料となろう。
ドル円相場は日本政府による為替介入ゾーンが続くため、下押し圧力が強まるだろう。ただ、FRBの利下げサイクル入りは後ずれし、150円を中心に足場固めの展開に。今週は節目の152円をトライする場面も想定したい。
【日・2月東京都区部消費者物価コア指数】(5日発表予定)
5日発表の2月東京都区部消費者物価コア指数は、1月実績を下回る可能性がある。全国CPIの先行指標として注目され、市場予想を下回った場合、円売り要因になりやすい。
【米・2月雇用統計】(8日発表予定)
8日発表の米2月雇用統計は1月が予想外に強かったことから、反動により弱含む可能性もあろう。1月は失業率が3.7%、非農業部門雇用者数は前月比+35.3万人、平均時給は前年比+4.5%だった。