今年の元日、石川県・能登半島で最大震度7を記録する地震が発生。これにより、県内の7000人以上がいまだ避難所生活を強いられている(2月中旬時点)。たとえ地震では生き残っても、ストレスなどによる災害関連死で亡くなるケースも徐々に増え、その後に長く続く避難所生活の過酷さやさまざまな問題が浮き彫りになってきている。そこで選択肢として浮上するのが、自宅での避難だ。長期にわたる可能性も高い在宅避難で上手に生き抜くための工夫を、防災士の草野かおるさんの教えてもらった。【全3回の第3回。第1回から読む】
目次
保温ボトルを活用する
「保温ボトルに熱湯とご飯、顆粒だしなどを入れて蓋をしておけば、約30分でおかゆができます。カセットボンベの節約におすすめです」(草野さん・以下同)
排泄物は庭に埋める手も
下水道が使えずトイレが流せない場合、汚物は換気のできる浴室などで保管するといいが、こんな方法もあるという。
「自宅に庭があればにおいの強い排泄物を埋めて処理できます。適当な深さの穴を掘って小石を敷き、その上に落ち葉などを敷き詰めたら排泄物を置き、さらに土をかぶせます。排泄物を置くたびに土をかければ、においも気になりません」
ペット用トイレシーツで暑さ対策
「ペット用トイレシーツをビニール袋に入れ、約500mlの水を吸わせてふり回せば気化熱で冷却ジェルに。熱中症予防におすすめ」
キッチン用塩素系漂白剤を消毒液代わりに
「アルコール消毒液が足りないときは、キッチンなどで使用する『塩素系漂白剤』(主成分が次亜塩素酸ナトリウムのもの)が役立ちます。水1lに約25mlの塩素系漂白剤を混ぜた液に布を浸し、ドアノブ、トイレ、テーブルなどを拭けば除菌できます。ただし、金属部分は変色する場合もあるので注意を。また、手肌には使用しないこと」