投資情報会社・フィスコが3月11日~3月15日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。3月中旬に自動車・電機大手の賃上げ集中回答が予定されており、市場予想を上回る水準だった場合、日本銀行は賃金上昇を伴う2%の物価目標を達成できれば大規模緩和の修正に乗り出す方針のようだ。
ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースは市場の想定より緩慢とみられ、リスク選好的なドル買い要因になりやすい。米1月コアPCE価格指数は前年比+2.8%と市場予想と一致しており、3月12日発表の2月米コア指数CPIは前年比+3.7%と前回から大きな鈍化を想定しにくい。
なお、パウエルFRB議長は3月6-7日の議会証言で、金融政策について中立的な見解を示した。特にタカ派寄りでなかったためドル売りに振れたが、市場は年内数回の利下げを想定しつつある。このような見方がさらに広がった場合、リスク回避的なドル売り・円買いはやや縮小する可能性がある。
【米・2月消費者物価指数(CPI)】(12日発表予定)
12日発表の米2月CPIは前年比+3.1%、コア指数は+3.7%と予想される。総合が横ばいとなれば高止まりでドル買い要因に。
【米・2月小売売上高】(14日発表予定)
14日発表の米2月小売売上高は前月比+0.8%と大幅改善が期待されている。個人消費の強さが顕著になればソフトランディング期待のドル買い材料となる。