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「そんなの教えられないよ…」 小学生が「大谷翔平みたいなスイーパー投げたい!」で学童野球指導者困惑、ネット情報に振り回される“お父さんコーチ”の受難

とにかく専門用語を使いたがる子供たち

 子供たちが興味の対象に関する知識を貪欲に取り込んでいく姿は微笑ましくもあり、応援したくなるが、Mさんが言うように、上達するには段階を踏むことも大切だ。

 この傾向は他のスポーツでも同じ。少年サッカーのコーチを務めるKさん(50代/男性)は高校時代、サッカーで全国大会に出場した猛者だが、とにかく専門用語を使いたがる子供たちをどう指導するか、頭を悩ませているという。

「我々が学生の頃は、サッカーといえばJリーグを見るぐらい。オフサイドが分かればサッカー通だったような時代ですが、今やW杯はもちろんチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの試合さえリアルタイムで見られるようになり、子供たちはトップ中のトップの選手のプレーを簡単に見ることができるようになった。

 そうなるとマネしたくなるのは当然ですが、小学生レベルで『フォーメーション』だの『ハイプレス』だの『1.5列目』とか言われても(苦笑)。小学校3年生の子に『バルサみたいなサッカーがしたい』と言われたこともあります。いや、その心意気はよいと思うのですが、こっちが教えられない……。

 気になるのは、練習でも試合でもとにかく“通っぽい単語”を使いたがること。子供は基本的にボールを持つと離さないものですが、『グラウンダー』とか『サイドチェンジ』とか『ニア(サイド)』と叫べば反応してしまうもの。やってみたい気持ちは分かりますが、そういったプレーは技術が必要ですし、試合状況に合っていないことがほとんどで、見ていて心配になってしまうこともあります」(Kさん)

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