パチンコホール関連4団体(全日遊連、日遊協、MIRAI、余暇進)は2月29日、「広告宣伝ガイドライン(第2版)」を発出した。このガイドラインは、パチンコホールの広告宣伝におけるルールの禁止事項を中心にまとめたもので、第1版は2023年2月に発出されていた。今回の第2版では、【賞品と総付景品に関する広告宣伝】【第三者に依頼して実施する広告宣伝】の2つの類型が追加された。
そもそもこのようなガイドラインが作られた背景には、何があったのか。パチンコ業界に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が説明する。
「パチンコホールの広告宣伝は、著しく射幸心を煽るような内容は禁止されています。ただ、過去にはそうしたルールを無視するホールも珍しくなく、かなり過剰な広告がまかり通っていた時代もありました。
しかし東日本大震災後の自粛ムードのなか、パチンコホールの広告宣伝は厳しく規制されるようになり、特定の日をイベントとして告知することができなくなりました。その代わりに増えたのが、ライターやYouTuberなどの来店・取材イベントですが、そちらのほうも2010年代後半から規制される地域が増えていきます。
ホールにしてみれば、何らかの形で集客のための広告を打たないと客が減っていくばかりという現状があります。また、広告規制のルールが都道府県でバラバラという問題もありました。そういったなかで、ホール関連団体が協力し、全国統一の広告宣伝ルールを作って健全化することで、規制を緩和していこうという動きがあったわけです」
実際に広告宣伝のルールは緩和されている。広告宣伝ガイドライン(第1版)では、たとえば「オープン◯周年イベント」などの記念日イベントの開催が可能になったほか、「出玉ランキング」の掲出も可能となった。
今回発出された第2版では、【賞品と総付景品に関する広告宣伝】【第三者に依頼して実施する広告宣伝】の2類型が追加。これはどういうことなのか。まずは【賞品と総付景品に関する広告宣伝】について、藤井氏が解説する。
「出玉と交換する賞品の告知についてのルールです。特定の機種に関連する賞品の入荷などを告知するのはOKですが、そこに“高設定”を示唆する文言やデザインを入れたり、“チャンス”などといった言葉を入れたりするのはNG。つまり『特定の機種が狙い目』であるかのような内容は禁止ということです」(藤井氏・以下同)