そんな市民のラーメン愛に拍車をかけるのが、山形独特の気候だ。
「山形の夏はものすごく暑いのですが、それを乗り切るためのソウルフード『冷やしラーメン』がある。そのため夏場でもラーメンの売り上げは落ちず、逆に増えるくらいです」(前出・担当者)
担当者は地元愛とラーメン愛をひとしきり熱弁した後、「2位の新潟市さんとは、お互いに高めあっていければいいですね」と語った。
餃子「日本一」を巡る三つ巴の戦い
「餃子」でも毎年、熱い戦いが繰り広げられている。長年、静岡県浜松市と栃木県宇都宮市が日本一の座をめぐって戦ってきたが、前回、前々回はダークホースの宮崎県宮崎市がトップに輝いた。
これで三つ巴の戦いとなったが、今回は4041円で浜松市に軍配が上がり、見事1位を奪取。浜松市役所の担当者が言う。
「特に1位になるためにキャンペーンなどをやったわけではなく、ひとえに市民の皆さんの非常に強い餃子への思いが実ったのだと感じています。餃子は戦後、満州から引き揚げてきた人たちから全国に広がったといわれていますが、浜松市ではそれに先駆けて、大正時代から餃子を提供する店がありました。
野菜が多く使われているのが『浜松餃子』の特徴ですが、実は定義はけっこう曖昧で、3年以上浜松市に住んで餃子を作っていれば『浜松餃子』と名乗っていいんです。なので、野菜の種類や割合は店ごとに違っており、1つとして同じ味はありません。そんな違いを楽しめるのも『浜松餃子』の魅力です」
(第2回に続く)
※女性セブン2024年3月28日号