東証グロースの銘柄は見なくていい
新興企業を対象とする東証グロース(旧マザーズ)には将来性のある小型株が集まるイメージがあるが、清原氏の認識は違う。
「1999年11月のマザーズ設立以来、なぜか割安小型株が極端に少ない。赤字のバイオ株など、見る価値のない株が多すぎます。なかには成功してもマザーズにとどまる企業もありますが、上場時からすでに成長株として高い評価を得ているので割安ではない。可能性はあるものの、それをリサーチして探し出すのは効率的ではありません」
イメージの悪い業界から目を背けるな
多くの投資家が敬遠する業界に目を向けるのが清原メソッドの真骨頂。むしろイメージの悪い業界にこそ好機があるという。なかでも清原氏が着目するのは中小の不動産会社だ。
「1980年代のバブル期に一部の不動産会社がヤクザぐるみで地上げを行なったのでイメージが悪く、中小の不動産会社は現在も極端に割安です」
清原氏が手がけたファンドが25年の歴史で最も利益をあげたのも、大阪にあるワンルームデベロッパー「プレサンスコーポレーション」への投資だった。
「リーマンショック後、バランスシートが盤石なプレサンスは競合が激減するなかで土地を大量に安値で仕入れ、安定的に利益を伸ばしていた。
そして2019年、ある学校法人からの土地の仕入れに関してプレサンスの社長が逮捕され(のちに無罪が確定)、株価が暴落したので思いきり買い増したんです。その後、『オープンハウス』がTOBをかけたので我々は全株を売却した。3つのファンドで合計250億円以上の儲けになりました」