藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

【新NISAでも注目】経営盤石な銘柄で構成される「S&P500配当貴族指数」を解説 上昇局面では高パフォーマンス、下落局面では低リスク

高パフォーマンスかつ低リスクの「S&P500配当貴族指数」

 じつはアメリカには「S&P500配当貴族指数」と呼ばれる人気のインデックスがあり、S&P 500指数銘柄のうち、下記条件を満たす銘柄で構成されています。

【1】S&P500の構成銘柄である
【2】25年以上連続で増配している
【3】時価総額が30億米ドル以上である
【4】1日あたりの平均売買代金が500万米ドル以上である

 1回でも減配してしまうと組み入れ銘柄から外されるという厳しい規則がありますので、組み入れ銘柄であるということは、企業基盤がかなり盤石な優等生であることは間違いありません。実際に組み入れられている銘柄は、ウォルマート(生活必需品)、ジョンソン・アンド・ジョンソン(ヘルスケア)、エクソンモービル(エネルギー)、P&G(生活必需品)など、有名どころが並びます。

 1998年から2022年12月末までのパフォーマンスは、配当込み、米ドルベースでなんと約39.4倍。S&P500指数(配当込み、米ドルベース)は約21.6倍、ナスダック総合指数(配当込み、米ドルベース)は29.4倍ですから、かなり魅力的に映ります。

 さらに配当貴族が素晴らしいのは、下落局面でもダメージが少ないことです。1990年から2022年の間に、S&P500が下落した年の平均騰落率は▲15.11%に対して、S&P500配当貴族は▲2.01%とかなり低く抑えられています。リターンが高く、リスクは低いとなれば、投資対象として選択したくなるでしょう。

S&P500配当貴族指数に投資するには?

 S&P500配当貴族指数をベンチマークとするインデックス投信に投資することで、S&P500配当貴族指数に投資することができます。

 NISAを使って投資する場合は、つみたて投資枠を利用するなら、「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族(愛称:Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族)」。成長投資枠を利用するなら、「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」などがあります。

 注意点としては、決して配当利回りが高いわけではないことです。2023年11月時点の配当利回りは2.6%程度。4%、5%を狙うなら、投資対象にはなりません。

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