応援したい自治体に寄付することで、返礼品がもらえて住民税や所得税が控除される「ふるさと納税」。うまく活用すれば“節約”にも役立つが、返礼品は食料品や日用品、家電など多岐にわたるだけに悩ましい。特に一人暮らしとなると、賞味期限や収納スペースの問題もあるだけに難易度が上がる。
一人暮らしでふるさと納税を申し込んだことがある人たちに、返礼品を選ぶコツや失敗談を聞いた。
冷凍にすれば日持ちする、と考えたけど…
IT企業勤務の30代男性・Aさん(都内在住)は、ふるさと納税の返礼品にまつわる苦い思い出がある。
「初めてふるさと納税をした時、一人暮らしなのに、調子に乗って明太子、鮭の切り身などのごはんのお供を中心に、肉の切り落としやホタテなど、基本的に生の食品ばかりキロ単位で申し込んでしまいました。あれば食べるかなと思ったんです……」
Aさんの元に返礼品が全国各地から続々と届く中、「冷凍庫の容量を考えていなかった」と後悔したという。
「冷凍にすれば日持ちするということしか頭になく、肝心のスペースを考えていなかったんです……。あっという間に冷凍庫はいっぱいになり、溢れた分は誰かにもらってもらうしか消費する手立てがありませんでした」
友人に理由を話し、「もらってくれ」と半ば無理やりあげていたが、それも限界がきたAさん。結局、「実家」に「おすそ分け」の名目で送ったものの、「手間も配送費もムダになった」と苦笑いだ。
「実家は関西で遠く、すぐに持っていける距離ではありません。冷凍庫に入り切らない分はクール便で送りましたが、節約のためと思って買ったのに、全然節約になっていない(笑)。一人暮らしの人がふるさと納税をする時は、生モノ系は本当に注意です」(Aさん)