多くの若手社員がすぐに会社を辞めてしまう現実
──どれも現実に即したアドバイスだと思いますが、ここから垣間見えるのが就職活動の欺瞞です。学生は「御社が第一志望です」「御社の社会貢献に共感しました」「御社の製品は社会に幸せをもたらしているので私も共感し、その一員になりたいと思いました」みたいなことを言う。
しかしながら、上記コメントの通り、最近は多くの若手社員がすぐに会社を辞めてしまうんですよ。ってことは、新卒一括採用なんてもう不要なんじゃないんですかね? 新卒だろうが社会人経験があろうが、企業は普通に定期採用をして、その中で優秀な人材を獲得すればいい。
人材コンサルタント的な肩書を名乗る方の中には、日本企業の新卒一括採用という慣習を肯定する方もいますが、正直、新卒一括採用の利点はもはや感じられない。広い労働市場の中で、自社に合う人材を採用すればいいだけです。
それは、経験豊富なアラフォーの方かもしれませんし、何か尖ったところを感じられる大学4年生かもしれない。今年の4月1日に多数書き込まれたネット上の先輩からの助言からこのようなことを考えるに至りました。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など多数。最新刊は『日本をダサくした「空気」』(徳間書店)。