投資情報会社・フィスコが4月8日~4月12日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。152円付近で日本政府の為替介入が想定され、円買いに振れやすい。ただ、日本銀行は金融正常化に消極的で円買いは後退。また、米国の引き締め的な金融政策でドル高基調が続く。ドル円は3月に1990年以来34年ぶりの高値圏に浮上したが、日本政府の口先介入による円買いで一段の上昇を回避。市場では152円付近での介入が期待され、151円半ばから後半では下押し圧力が強まる。
財務省と金融庁、日銀による三者会談では今後の対応が協議されたもようで、防衛ラインは152円との見方がドル円の下押し要因に。同時に、日銀の正常化期待は後退し、151円付近からの大幅安は想定しにくい。
一方、ハマス・イスラエル紛争にイランの介入が警戒され、中東情勢の混迷を背景に原油相場が強含む。それにより世界的なインフレ懸念が強まり、主要中央銀行の利下げ観測は後退。株安を手がかりに円買いも見込まれる。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者はパウエル議長をはじめ引き締め的な政策スタンスを緩めていない。6月から年3回の利下げシナリオが修正される可能性もあり、米金利高・ドル高の地合いが見込まれる。
【米・3月消費者物価指数(CPI)】(10日発表予定)
10日発表の米3月CPIは前年比+3.5%、同コア指数は前年比+3.7%と予想される。インフレ再加速の思惑ならドル買い要因に。
【米4月ミシガン大学消費者信頼感指数】(12日発表予定)
12日発表の米4月ミシガン大学消費者信頼感指数は改善傾向を維持すれば引き締め的な政策を後押し。インフレ予測はこのところ底堅く推移し、ドル買い要因になりやすい。