円高が進めば日本株は下がりやすくなる
収入増の見込みはなく、物価が下がる期待もできないならば、自ら資産を増やすしか道はない。老後に備えてせっせと貯金をしても、物価高で現預金の価値はどんどん目減りしてしまう。
資産増のためには、やはり新NISA(少額投資非課税制度)などで投資をするのが効果的。現在人気を集めているのは、全世界の株式に分散投資できる「オルカン」や、アメリカを代表する株価指数「S&P500」に連動する投資信託だ。経済評論家の加谷珪一さんが解説する。
「いずれもドル建てで、海外優良企業に投資するものが大人気です。多くの人が外貨建て投資信託を買っているということは、みんなが“日本株はもうヤバい”と感じている証拠にほかならない。これから資産形成をするなら、日本だけでなく海外にも目を向けるといいでしょう」
この株高を受けてチャンスとばかりに新たに新NISAや個別株の取引を始める人が激増しているが、いまは初心者は特に慎重になるべきタイミングだ。
「もし今後円高になれば、いまの日本の株価を牽引している輸出企業は業績が下がる。それを受けて株を売る人が増えることで、株価は下がりやすくなるでしょう。もし1ドル=140円程度に円高が進んだら、株価はいまより10%ほど下がっても不思議ではない。日経平均が3万7000円や3万6000円台まで落ち込む可能性も充分にあります」(松岡さん・以下同)