そうなると、日経平均が4万円台のいま、新NISAで日本株の投信に大金を投じるのは“高値掴み”になる。下落で慌てて売ってしまえば、大損していまよりもさらに貧しくなる人も出るだろう。
「積み立て投資は相場の上下に一喜一憂せず、無理のない額を長期で続けることがいちばん大切です。“今後は株価が下がる可能性が高いから、下がってから買うべきだ”ともいわれますが、それは投資に慣れている人の考え方。初心者に株価の見極めは難しく、暴落を待ち続けて、何年も始められない方が損失です。せっかく誰でも投資しやすい新NISAを使うのですから、わざわざ難しく考える必要はありません」
「資金に余裕がないときなどは、新NISAをスパッとやめる勇気も必要」だと、松岡さんは説く。
「新NISAでなくても、資産形成はできます。『iDeCo(個人型確定拠出年金)』は今後70才まで運用できるようになるともいわれているので、いま働いているなら新NISAよりも税制メリットが大きいiDeCoを選ぶのもひとつの手。60才以上なら『個人向け国債』で、より安定的な運用をすることもおすすめです」
国や企業に期待しても、このままでは富めるどころか貧困は進む一方。目先の数字に惑わされないマネーリテラシーを身につけることが、なによりの資産になる。
※女性セブン2024年4月18日号