アイドル、アーティスト、タレント、アニメなど、さまざまな人やものを応援する“推し活”。日々の生活に癒やしと活力を与えるものとして、多くの人々が楽しんでいる。しかし、一方で“推し”との距離感に関する騒動が起きているのも事実だ。
先日、お笑いコンビ「ラニーノーズ」を応援する1人のファンが「note」に投稿した文章が、ネット上で話題となった。
そのファンは、ラニーノーズのメンバーが組んでいるバンド「Runny Noize」が好きになり、音楽ライブに通うようになったという。“推し”からもその存在が認知されるようになった一方で、お笑いとしてのラニーノーズに対してネガティブな内容をSNSに投稿するなかで、他のファンとの折り合いが悪くなっていく。
また、ネット上のクローズドな場で推しに対する“リアコ(リアルに恋している)”な内容を投稿していたことがラニーノーズのマネージャーに知られ、“セクハラ”として注意されたことなどが赤裸々に語られている。エンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏は、このnoteの投稿についてこう説明する。
「投稿は2023年8月のものですが、2024年4月になってお笑いファンを中心に大きな話題となりました。昨今は“推し活”が定着している一方で、ファンの“推し方”や“応援マナー”について語られることも増えています。特にSNSにおいて、推しを批判したり、推しに自分の好みを押し付けたりする行動が問題視されることも多いです。今回話題になったnoteの内容もそういったファンの行動と言えるでしょう」
推し活の何がOKで何がNGか
先日解散を発表した女性お笑いコンビ『ハイツ友の会』についても、一部のファンの行動が問題視されていたのではないか、と話題になった。
ハイツ友の会の西野は、吉本興業の「FANYマガジン」にて解散に際してのメッセージを公開。そこに、〈私たちを応援してくださる方は女性が多くいてくださったように思います。とても嬉しかったです。女性の皆さんありがとうございました。本当に“お笑い”が好きな男性もありがとうございました〉という記述があった。
「ハイツ友の会は、美人コンビと呼ばれることも多く、ネタよりもルックスを評価する“顔ファン”の男性も少なからずいたと言われています。そういったファンの存在が、お笑いコンビとして活動するにあたっての足かせになっていた部分があったのかもしれません。
また、あくまでも一般論ですが、女性アイドルやタレントであれば、出待ちが禁止されていたり、移動中などもマネージャーが帯同してたりなど、ファンが推しに近づけないような仕組みがあります。
しかし、女性芸人の場合は、そういった形で守られるケースは少なく、しつこく話しかけてくる男性ファンもいるようです。ファンとしてはそれもまた“推し活の一環”のつもりなのかもしれませんが、明らかなマナー違反になることもあるし、芸人さんにとっては大きな負担になる。推し活は自由なものとはいえ、“推し方”や“応援マナー”について、何がOKで何がNGか、しっかりと線引きをする必要はあると思います」(大塚氏)